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とらうさぎのインド人

孤独な死~4~

アパートの中に入るのにいろいろがんばってる鍵屋さん
やっと新聞受けをずらすことに成功
まず積んである新聞をどけないと・・・
ポスト差込口から長い棒で新聞を押す
が、びくともしない
それもおかしい
向こうが空間なら倒れていくはずなのに・・・
なんとか新聞を押しても上からテトリスのように落ちてくる
それも諦め

じゃあ道具で鍵を回すしかないと思うでしょう
新聞でそこまで棒がたどり着かない
そこまでするのか
借金取り対策は万全じゃないか
けど○○ちゃんってそこまでマメかなあ
しかし自殺でもなんか引っかかるよなあ
そんなに発見されたくないの?

アパートで亡くなってるって選択肢は確かに頭にはあったよ
けどやっぱりこの段階でもまさかなって思ってた
裏のサッシを見る限りあまりにも荒廃してて生活してるのが不思議だったから
そこにいる人たちみんな
ほんとにここ住んでるの?
っていうのが共通な意見
くもの巣も体長3cmくらいの無数の虫も部屋の中にあるんだよ
カーテンに引っかかってるんだよ

けどいつも使ってる電動自転車は主人がいつでも乗れるようにそこで待ってる
体調が悪いからこの暑さ、タクシーで出たかもしれない
あーだこーだ推理してる立会人たち
鍵屋さんがとうとう白旗を揚げた

無理です!
ガラス割りましょう!
ここまできたらもう親族は了解するしかない
4時間もよくがんばった
お願いしますといって、裏に回ってものの数分
今までの苦闘を指を刺して舌を出したあざ笑う悪魔がいるのが見えた
あっけなくサッシは開いた

これで真相が・・・やっと
と思った瞬間、窓から外に嗅いだことの無い臭気が流れてきた
みんな鼻を押さえてその臭気の道からいっせいに外れた

見るとすごい量のごみだった
とにかく一番上に乗っかってるのはカップラーメンの空、それも洗っても無い
食べきってから上に乗せてるみたいだ
開けた鍵屋さんはここまでが役回り
なぜか俺の頭には
“ここから物語は第3章に”というテロップが流れた
お巡りさんが「じゃあ私が入ります」と言ってごみの山を登って入っていった
いよいよだ

やっぱお巡りさんはすごいなと思った
後で真っ先に入った理由が分かるんだが・・・
by torausagi-indo | 2010-08-22 06:26 | ささやかなコメント
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